第12回 代替医療 その4 経穴の標準化

2021年08月03日

 前回お話ししましたように世界保健機構(WHO)で経穴361・経穴以外の奇穴48穴などの名称・表記法が1989年国際会議において合意されました。その一例として頭部の督脈の経穴を以下に図示します。

 

  (A proposed of standard international acupuncture nomenclature (WHO1991) より)

これを見ればわかる通り、督脈に分類される経穴はGVの記号が付き、長強がGV1などのように表記することとしています(1)。 またこれらの経穴は動物にもあてはめられ(2)、犬やラット、マウスなどの実験動物でも用いられています(3)。このことでこれまで見てきたような経穴(ツボ)に関するエピジェネティクスの実験が可能となってくることになるわけですが、人の臨床へのフィードバックとしてより解剖学的、組織的裏付けも必要となってくるものと思われます。また、獣医学分野でも経穴の標準化により、臨床での応用が可能となっています。日本では、獣医中医学(中医学:鍼灸・漢方・推拿(中国伝統手技療法)・食養などの医学の総称)が酪農学園大学獣医学部の正式カリキュラムとして文部科学省において2010年に認定されているようです(4)。次回は、経穴(ツボ)について最後にこれからの展望をお示ししたいと思います。

 

       (倉林 譲 岡山実験動物研究会報26巻 29-35(2010)より)

 

 

 

            (Korean Journal of acupuncture Vol.27, N0.3,pp 67-68(2010)より)

 

参考文献

1.A proposed of standard international acupuncture nomenclature(WHO1991)

2.倉林 譲 岡山実験動物研究会報26巻 29-35(2010)

3.Korean Journal of acupuncture Vol.27, N0.3,pp 67-68(2010)

4.日本獣医中医薬学院HP(http://itcvm.com/)

                                2021.8.3

 

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