代表者あいさつ

Greeting

代表者あいさつ

 このホームページを読んでくださっている皆さん。健康エピジェネティクスの世界にようこそいらして下さいました。 新型コロナウィルスの感染拡大対策として自粛を余儀なくされ、子どもたちの登園や登校が長期間禁じられました。これが子どもの心や身体の発達にどのような影響を与えるのかを心配しています。
 ところでわたくしは、子どもの神経の病気を専門にする小児科医として、発達障害の遺伝子研究に携わってきました。その中で、父親からうけついだ遺伝子と母親からうけついだ遺伝子の振る舞いが違っていること、父親遺伝子と母親遺伝子の葛藤のなかで胎児の成長のバランスをとっていることを知りました。また暴飲暴食の男性はDNAが変化し、それを受け継いだ子どもがまた肥満や糖尿病になりやすい体質になってしまうことも知りました。
 すなわち遺伝子は一生涯変わらないものではなく、親の性や環境で変化して、次の世代に伝わることがわかってきたのです。このしくみをエピジェネティクスと言うのです。だから遺伝の問題は、一部の遺伝家系の人に限られた問題ではなく、世の中の人々全員に関わる問題であり、しかも我々の生活習慣が反映される問題であることにきたのです。
 これまでは避けることも変えることできないと考えられてきた遺伝ですが、実はそうではなく、良くしたり予防したりすることができるものだったのです。これがジェネティクス(遺伝学)にエピ(”超”の意味)がついたゆえんです。
 これを踏まえ、われわれはエピジェネティクスの可逆性をふまえた前向きな健康や教育を推し進めていきたいと考えるにいたりました。具体的には子育てに関わっておられるお母様、保育士や幼稚園教諭、小学校教員、栄養士、障害児や被虐待児のための福祉施設の方々に集まっていただき、新しい観点の身体の健康や精神発達の実践を生み出したいと思っています。

2020年10月8日
健康エピジェネティックネットワーク代表(設立時、現顧問)
久保田 健夫 (前聖徳大学、現西府すこやかこどもクリニック)